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ご挨拶 「一燈照隅 萬燈照国」公益の燈を点燈する手伝いをしたい

千賀修一理事長1. 平成14年までは、公益法人を設立するには主務官庁から許可を取得することが必要であり、公益法人設立は非常に困難でありました。平成14年行政改革会議において、最近の社会・経済情勢の進展をふまえ公共の分野を「民間」も担っていくというのが必要であり、そのためには民間非営利活動を促進し、社会の活力を増す社会経済システムを確立することが必要であるということから、公益法人法(以下「新法」といいます。)が制定され新制度に切り替えられました。
2. 新制度の概要と公益認定手続きは以下の通りです。
(1) 新法は法律の定める要件に準じているのであれば行政庁の許可なく設立登記ができる準則主義がとられ、法人の設立と公益性の認定の分離が行われました。公益法人は、誰でも簡単に設立することが可能で、事業内容に制限はなく、営利事業もできる。制限があるのは、利益や資産を分配できないことです。
(2) 一般法人から公益法人になるための「公益性」の認定は、公益認定に関する基準を認定法という法律で明確に規定し、民間有識者からなる公益認定等委員会(内閣府7名・都道府県5名)が審査して、行政庁の意向とは独立して判断ができる制度となりました。
 行政庁(内閣総理大臣・都道府県知事)が公益認定等委員会の答申があったものをそのまま認定することになりました。このような第三者機関による公益認定の制度は、イギリス.ニュージーランド、アイルランドなどで採用されている制度です。公益認定申請は、原則として4ヵ月以内に審査を終了することになり、公益認定の手続は迅速になりました。
(3) 公益財団法人は、基本財産最低300万円で公益社団法人は基本財産ゼロでも設立することが出来、また、両法人とも設立後それまで全く活動実績がない法人でも事業計画書が明確であり財政的な裏付けがあれば公益認定を申請することが可能となりました。
3. 新法の施行により、公益認定のために必要な手続に関する書籍も多いうえ内閣府公益認定委員会から詳細な手続書が出されていることから、一般法人を設立したうえ公益認定を取得する法人が増えると思われました。2020年12月現在公益社団法人4,175、公益社団法人5,439、公益法人合計9,610あります。これに対して、2021年3月現在、一般社団法人66,940、一般財団法人7,743、一般法人合計74,683あります。
 新法施行後、公益法人に比べ約7.8倍の一般法人が登記されていますが、2008年から2020年度に公益認定を受けた858法人は年間77件(年平均72件)であり、新法が制定された立法趣旨である「公益の増進」及び活力ある社会の実現に資することを目的とする立法趣旨を達成していません。
 最澄は、「一燈照隅 万燈照国」(いっとうしょうぐう・ばんとうしょうごく)と教えています。一人一人がベストをつくして身近の一隅を照らせば、その一隅を照らす光が集まればその光は国全体を照らすということです。
 公益法人制度をもっと多くの人が活用して、多くの公益法人が設立され一隅を照す光が多くなり、「公益の増進」の燈が全国に広がることにより万燈照国に一歩でも近づくことができるよう、公益の燈を点燈する手伝をすることを願って当法人を設立しました。

理事長 千賀修一(弁護士・税理士)
弁護士法人 TLEO虎ノ門法律経済事務所 所長